いやいややっと観てきましたよ。ちょっと出落ちしましたがね。
新海誠さんの最新映画「君の名は」。
え??私の名前??
はい。CAPLOG管理人BARCA(@BARCA1UP) です。
皆さまどうもいつもCAPLOGをご覧になっていただきありがとうございます。
新海誠さんの作品は全て視聴済みですが、今までの作品では、ラストが、う~~ん。ってなったり、おい!!ここーーー!!って突っ込みが色々あったのですが。
今作はもういうことありません。大喝采です。ありがとうございました。
相変わらず素晴らしすぎる細かく鮮やかでリアルな風景描写や、登場人物の心情表現、映画館で観たら圧巻でした。あと音楽もですかね。RADってあんまピンとこないんですが(ファンの方すみません)劇中の曲を作曲され、主題歌も4曲あり、いやこれに限っては新海さんパワーのおかげかすべてが奇跡的にマッチングして、観る者を虜にし、口コミが口コミを呼び、こんな快挙を出したという結果になったのですかね。
とまあ一般の方は感想はこんな感じかと思います。
今作の見どころはなんといっても物語の組み立て!
こういった時間軸系は大好物ですね。
いやぁうまかった。というか、ん?ってなってからずっと思考、思考の連続。
リアルタイムで考えながら観るという行為はなんとも集中力を欠く。もう一回色々整理して、2回目を観に行きたい所存でございます。
さて、この映画の感想が、「いやーRADよかったー」とか「背景やばかったー」っていうだけの浅はかな人ではない人がこのページにたどり着いていると思います。自分と同じように映画を観て整理をしたい方、深い考察を期待している方。期待に沿えるかはわかりませんが、一緒に「君の名は」の整理と考察を様々なシーンを元にしていきたいと思います。
「君の名は」を整理
今作のモチーフ
小野小町の古今和歌集
「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」
(あの人のことを思いながら眠りについたから夢にでてきたのだろうか。夢と知っていたなら目を覚まさなかっただろうものを。 )
から着想を得たと新海さんもインタビューで応えているように、本作は、夢と現実をモチーフにした恋愛ものである。
ポイント
今作の物語のキーとなるのは「組み紐」「彗星」「口噛み酒」。
【黄昏時】ーすれ違い時ー
劇中でポイントとなるのが、「黄昏時」という言葉である。
これは、劇中でも説明があるが、語源は万葉集の
「誰そ彼(たそかれ)と われをな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ君待つ我そ」
(誰、あれは?と私に尋ねないでください。あれは九月の露に濡れながら君を待つ私なのですから。)
という和歌から来ているらしい。
黄昏時(誰そ彼)というのは、逢魔が時ともいい、その名のとおり、妖怪や魔といったこの世ならざるものと遭遇する時間帯である夕暮れ時を指す。
これは、民俗学的にも研究の進んでいる分野であり、境界論と呼ばれている。
生と死、現と夢、そして三葉と瀧、それらを瞬間的に繋ぐ糸の役割をしているのが黄昏時なのである。
瀧は、森の拠り代のある広大な盆地で、彗星事故で死んだはずの三葉と会い、いよいよ夢を現実のものとして認識する。
夕陽が沈む前に、瀧は三葉へ想いを伝えようとするが、瞬間、夜が訪れ三葉は常世の世界へと戻ってしまう。
ちなみにこの国語の授業をしていた教師は「言の葉の庭」の雪野先生。ゲキアツ!!
口噛み酒
糸守の伝統のある水宮神社でみつはが口に含んでべーしたその酒は、糸守の依り代のある古くからの祠へと奉納される。
「ここからはお前の大切な半分を置いていくことになる」という祖母のセリフにも表れているように、三葉は、川(三途の川)を渡って、酒を供える。
ここで、三葉は現実世界から常世へと渡り、自分の半分、それは口から出した魂の宿った酒を置くのである。
そして、この酒が後半、重要な意味を帯びてくる。
物語の後半では、瀧は、なんとか彗星事故から三葉を救うために、東京から飛騨へと旅立つ。
瀧は縦糸でつながった(三葉と入れ替わったときの)空間的なヒントから、飛騨の山奥、糸守の祠へとたどり着くことに成功。そして、瀧は、三葉の魂が宿った酒を口にする。
その瞬間、時計の針が巻き戻り、彗星落下の日に、瀧が三葉に入れ替わる。
ここでわかることは、三葉は彗星事故で現実の生身の体は失ったが、その魂は生きており、実は、口噛み酒が、タイムカプセルの働きをしていたということである。
つまり、瀧が、酒を飲み、3年という時限式のタイムマシンを作動させ、時間軸である横糸(三葉)を復活させたのである。
二つの糸でよくやく結ばれた二人は、初めてそこで出会うことになる。
いや、初めて出会うというよりも、再会したといった方が適切であろう。
なぜなら、二人は、横糸を辿った三葉が3年前に会いに行っていたのであるから。
つまり、横糸(時間)は三葉が、縦糸(空間)は瀧が、それぞれ糸を手繰り寄せていたのである。
組み紐と彗星
組み紐が今作の時系列を整理するカギとなります。彗星が落ちた日を基準にし、組み紐を主人公と見立てた視点で考えると整理しやすいです。
・まず、「組紐」は、三葉が所有している。(2013年)
と同時に、3年前の瀧と入れ替わりが生じている。
そのため、この時点で「組紐」はすでに瀧の手許へと移っている。
・3年間「組紐」は瀧が持っているが、誰から渡された「組紐」かわからない状態(2013-2016)
・3年経過後に、「組紐」が三葉からの物だと知り、瀧は三葉に「組紐」を返して、好きだと告白する。しかし三葉からすれば「組紐」を渡したその翌日に、瀧から「組紐」が返されたことになる。
そしてこの組紐。物語では時間の流れやねじりにも例えられている。
三葉(中身は瀧)が四葉とばあちゃんと糸守の先祖の祠のある盆地に向かう途中の際の会話にあった「結び」について。
ばあちゃんが説明した結び
糸をつなげるのも「結び」
人をつなげるのも「結び」
時間が流れることも「結び」
組み紐は時間の流れを表す
寄り集まって形をつくり
捻じれて絡まって時には戻って
とぎれてまた繋がって
それが結び それが時間
水でも米でも酒でも人の身体にはいったものが魂と結びつくことも結び であると説明している。
これが上記で説明した口噛み酒のタイムスリップにも繋がる今作でも最も重要なお言葉だ。
スマホで見る時系列
2013年 瀧(中学生)のスマホ 「iphone4s」
2016年 瀧(高校生)のスマホ 「iphone6s」
2021年 瀧(就活生)のスマホ 「iphone8以降?」ベゼルレスになっている
2013年 みつは(死ぬ前)のスマホ 「iphone4s」
まとめ
さてどうでしたでしょうか。今後「考察2」にて時系列は表にしてまとめたいと思います。
考察は今回長すぎるため次回に持ち越し。2回目も観て色々な発見もしてくるとしますよ!
そんじゃー